米アップルから発売されたiPhone 5sについて、販売店への入荷が少なく、特にゴールドやシルバーの色は手に入らないと、ネット上などで悲鳴が上がっている。
「iPhone5s…入荷台数少なすぎわろた…」
新型iPhoneが発売される前日の2013年9月19日、あるツイッターユーザーがこうつぶやいた。
NTTドコモの直営店でも整理券を配る
ユーザーはこの日、京都市内にあるスーパー「平和堂」店舗の携帯ショップに立ち寄ったという。ツイートに添付された店頭告知の写真をみると、iPhone 5sは、auブランドとソフトバンクしかなく、しかも、発売日の20日は、抽選で計7台しか販売できないとなっていた。それも、3色のうち、スペースグレイだけだった。
こうした販売店の状況は、ネット上や一部報道でも伝えられている。
今回から取り扱いを始めたNTTドコモでも、東京都内のある直営店は、スペースグレイの5sを各容量で15台ほどしか20日は販売できず、整理券を配るとした告知を事前に出した。また、量販店のヨドバシカメラではこの日、ホームページ上で、全国の各店舗でもスペースグレイしか5sがないと案内を出していた。
産経新聞の記事によると、iPhone 5sは、全国的に品薄になっており、ゴールドとシルバーは、各販売店でも入荷のめどが立たない状況だというのだ。
ネット上では、「ゴールドはほとんどないらしいやん」「もの売るってレベルじゃねーな」などと不満の声が上がるほどだ。中には、「流石に並ぶ気にはなれないし、購入はしばらく先になりそう」と冷静な声もあったが、「品薄商法ですか」「アップルはこういう話題作りはやめればいいのに」といった疑問も漏れていた。
ドコモ「在庫の回答は差し控えたい」
なぜ、iPhone 5sの入手が難しく、色も限られているのか。
前出のスーパー「平和堂」本部の広報担当者は、取材に対し、ゴールドやシルバーは入ってこない状況だとしたうえで、「どうなっているのか、こちらでは分からないですね」と首をひねるばかりだった。特に、NTTドコモの5sは入荷ができず、本部のある滋賀県でも、量販店では1店しか入っていないと聞いたことを明かした。
ドコモの直営店でさえ、状況は厳しいらしい。
前出の直営店の店長は、ゴールドやシルバーは入って来なかったと取材に打ち明けた。「5sを入荷しても、販売当日まで手をつけるなと言われ、情報をすべてベールに包んで何も知らされないんですよ」。ゴールドなどがなかったこともあり、当日は、15人ぐらいしか並ばず、売れ切れることはなかったそうだ。
一部米メディアの報道によると、iPhoneは、廉価版の5cが多くを占め、5sは2、3割しか出ていないとの情報もある。また、色もスペースグレイが4分の3を占めているようだという。アップルが5cや、5sならスペースグレイを売れ筋と考えているからというが、必ずしも確かな情報ではないようだ。
品薄の理由について、NTTドコモの広報部では、「ご好評をいただいていますが、在庫のことは回答を差し控えます」と取材に答え、auブランドのKDDIでも、「在庫は、企業秘密なので話せません。出荷状況はアップルに聞いてほしい」とした。ソフトバンクモバイルでは、「モデルやカラーによっては、数が少ない機種があるのは事実です。その理由については、アップルでないと分かりかねます」とのことだった。
アップルジャパンに取材すると、広報担当者が外出中だとして連絡も来なかった。