自費出版大手悪質手口の一部始終 「印税で払える」「カネは戻す」とウソ連発

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「才能がある」と気分を高揚させて誘い持ちかける

   いずれも担当者の粘着質な電話攻勢、相手の金銭的事情などお構いなしの身勝手な勧誘だ。年金生活者の事例は、「大賞に選ばれると無料で出版できる」という特典のあったコンテストに応募したところ、担当者から「入賞しました」と電話がかかってきたという。「大賞」とは言わず、相手の誤解を誘いながら有料サービスの利用に誘導したようにも思える。

   こうしたトラブルは、これまでに何度か報告されている。2008年に経営破たんした新風舎は、自費出版で事業を拡大し2006年には新刊本の点数1位にまで上り詰めた。一方で契約をめぐって訴訟に発展するケースも複数あったという。

   2007年11月9日には国民生活センターが「自費出版に関する相談が増加」との注意喚起を出している。出版社主催のコンテストに応募したところ、大賞は逃したが「いい作品なので自費出版しないか」「才能がある」などと気分を高揚させて誘いを持ちかけることが多いとの報告だ。年齢は60~70歳代以上の高齢者が35%に達している。

   ここで紹介されている事例でも、契約が成立するまではしつこく電話をしてくるが、その後は一転して事業者の対応が不誠実となり、「予定通りに本ができない」「宣伝用と称して大金を支払ったのに使途が不明」といった問題が指摘されていた。消費者に対しては「簡単に本が売れるわけではないので、冷静に考えること」「複数の事業者から見積りをとって、金額や内容を比較する」と助言をしている。

   インターネット上にも、似たような被害を受けたと主張する人の書き込みが見られる。最近は自費出版を行う大手出版社も少なくないが、強引な勧誘や必要以上に甘いほめ言葉、金銭をめぐる根拠のない約束には警戒した方がよいかもしれない。

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