業務用パイプクリーナーは水酸化ナトリウム濃度95%
汚水槽からインプラントや人骨の一部が見つかったということは、遺体を何らかの手段で小さく分解して下水に流したとも考えられる。読売新聞などの報道によると、パイプにつまった毛髪を溶かす作用などがある業務用の薬剤を使い、風呂場で土田さんの遺体を溶かした可能性がある。
パイプを洗浄する薬剤は通常、人の油や石鹸などの付着で発生したぬめり、毛髪をとるために使われる。配水管洗浄を請け負う企業のサイトの説明では、家庭用の苛性ソーダ系パイプクリーナーは濃度が0.5~1%程度なのに対して、業務用の苛性ソーダ系パイプクリーナーは95%程度と高濃度だ。水酸化ナトリウムの濃度が高いものは皮膚の腐食・有機物の分解能力に優れ、多くは医薬用外劇物に指定されていているという。ちなみにインプラントで主に使われるチタンは、水酸化ナトリウムに強い耐性がある。
過去に発生した類似の失踪事件といえば、「江東マンション神隠し殺人事件」だ。加害者の男が被害女性の身体を包丁とのこぎりでバラバラに切断し、トイレに流したりゴミとして捨てたりしていた。加害者のマンション近くの下水道から骨片が発見され、DNA鑑定で被害者のものと判明したという経緯がある。