年1回の恒例行事となった「AKB48じゃんけん大会」、2013年はSKE48とAKB48兼任の松井珠理奈さん(16)がセンターの座を勝ち取った。
「次世代エース」との呼び声も高い人気メンバーの勝利で会場は興奮に包まれたが、「奇跡的すぎる」勝ち方に、一部のファンからは「八百長ではないか?」とうがった見方も出ている。
中継終了30秒前に勝負が決まった
じゃんけん大会はフジテレビ系とBSスカパー!で会場の日本武道館(東京・千代田区)から生中継され、ファンをはじめ多くの人がテレビの前で戦いの行く末を見守っていた。
松井さんが勝ち進んでいくにしたがって、視聴者はあることに気付いた。
「あれ、珠理奈ずっとパー出してない…?」
確かに松井さんは1回戦からパーを出し続け、順調に勝っていた。
松井さんにとって7回目の対戦となる、NMB48の上枝恵美加さんとの決勝戦は、フジテレビ系での中継終了間際だった。1発目で松井さんはパー、上枝さんはグーを出して勝負あり。松井さんがセンターを飾ることが決まったのは、中継終了約30秒前だった。
12年に優勝したAKB48の島崎遥香さん(AKB48)も「全てチョキ」で勝ったが、当時も八百長を疑う声は上がっていた。2年連続の「全部同じ手」でセンター、さらに決勝で1回でもあいこが出たら中継終了に間に合わなかった。「できすぎ」とも言える劇的勝利に、ネット上では「全部パーか…露骨なヤラセではないか?」「この状況からしたら八百長だと言われてもしょうがない」などと書き込まれ、2ちゃんねるでも「八百長だ」とするスレッドが大量に立てられてしまった。
HKTメンバー「八百長疑惑出そうなくらい凄すぎる!」
メンバーからも、ファンの疑念を強めるようなコメントが飛び出た。
HKT48の下野由貴さんが大会終了後、Google+で「生放送、間に合って良かったね笑」「じゅりなさんがセンターって、また八百長疑惑出そうなくらい凄すぎる!」と投稿すると、2ちゃんねるで騒動に。「ああああーーー言っちゃったーーーー」「これはアカン」などと書き込まれた。下野さんはすぐに「八百長疑惑」と書いたコメントを削除し、「さっきは、誤解をうむコメントしてすみません!下野も去年出たので、メンバーみんな真剣にじゃんけんしてることは知ってます」「本当にメンバーやスタッフさんにも申し訳ないです!」と謝罪した。
ネット上で大きな話題となったことから、9月19日放送の「やじうまテレビ!」(テレビ朝日)の「ネットHOTランキング」というコーナーでも「八百長疑惑」が取り上げられた。大会終了後に秋葉原にいたファンは、取材に対し「申し訳ないけど(八百長と)言ってる奴ら全員ぶっ飛ばすよっていう(笑)」「そういうの(批判)も乗り越えてAKBメンバーには頑張って欲しい」などとコメントしていた。大会主催者からは「我々が言えることは『今大会の優勝者は松井珠理奈』ということだけです」という回答を得たとのことだった。
コーナー担当の加藤泰平アナウンサーが「あまりにもできすぎている、ドラマチックだということで八百長みたいじゃないかという声がネットでは上がってたんですが、ファンの皆さんは信じていると」と言うと、久冨慶子アナウンサーは「そんなファンが一番ですね」と笑っていた。
ネットでは、「全部同じ手」というのは視聴者がすぐに気づくので、逆に八百長ではない証と見る人もいた。漫画家の小林よしのりさんもブログで「選抜メンバーが商売上あんなに不利な結果にするはずがない」「珠理奈がパーを出し続けたのが八百長なら、わざわざ自分で『パーを出し続けた』なんて言うはずがない」と疑惑を否定している。
なお、松井さんは9月19日放送の「笑っていいとも!」(フジテレビ系)に生出演した。笑福亭鶴瓶さんから「パーだけ言うのも怖いやろ!」と聞かれると、「1回戦目にパーを出すのは決めてたんですけど、2回目もパーで勝ったので、これは最後まで行こうかなと」と「全部パー」の理由を明かしていた。