ガス小売り完全自由化に動く 新規参入は電力会社か

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カギになるガスパイプラインの扱いも不透明

   ただ、電力とガスでは業界の地図は大きく異なる。大手10社の寡占が確立している電力業界に比べ、都市ガス業界は全国に209の事業者があり、零細企業や赤字の事業者も多い。ここに新しい料金査定を適用すると、地方の中小事業者などは燃料費上昇分を価格に転嫁しにくくなる。このため経営悪化する業者が続出して業界再編が加速する可能性がある。

   また、競争促進のためのカギになるガスパイプラインの扱いも不透明だ。電力の送電網開放は、自由化の「本丸」として長い論争が続き、一応、発電と送電の分離の方向に動き出しているが、自民党内の抵抗が根強く、計画通り、送電部門を別会社に分離できるか、懸念も残っている。

   ガス業界も、送電網に相当するガスパイプラインはガス会社が保有・管理している。これを新規参入したい電力会社や石油会社など他の事業者にどう開放するかのルール作りはこれからのこと。電力の例を見ても「議論は簡単にはいかず、中小事業者の経営問題とも相まって、自由化のスケジュールに響く可能性も否定できない」(霞が関関係者)との声もある。

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