14年度の値上げ申請から新しい査定を導入
そこで、自由化に向け、経産省がまず取り組んだのが、この料金認可にあたっての査定の見直し。省内の「ガス料金制度小委員会」で新査定基準を検討してきて、このほど、改定案がまとまった。原価の大部分を占める液化天然ガス(LNG)の調達を効率化するよう求めるほか、設備調達は一般競争入札を原則とし、広告費や寄付金は必要な原価と認めないなど、東日本大震災後に査定を厳しくした電力と算定の条件を合わせる内容で、2014年度の値上げ申請から新しい査定を導入する。新査定によって料金引き下げを促し、全面自由化につなげる、という道筋だ。
政府は電力については2016年に小売りを全面自由化し、2018~2020年に料金規制の撤廃や発送電分離などの電力システム改革をする方針を打ち出している。電気に続いてガス業界でも改革を進めるのは、新規事業者の参入といっても、当面は電力とガスの相互参入が柱になるとみられるからだ。