8000億円追加で歳出カットしてもEUの基準満たせないおそれ
ここまで強い表現に踏み切ったのは、オランダは財政規律を守ることが強く求められているからだ。ユーロ導入国では財政赤字を対GDP比3%に抑えることが求められており、オランダ政府は、13年8月には、2014年予算案で60億ユーロ(約7950億円)の歳出カットを追加で行うことを決めている。
だが、オランダ国内の分析機関によると、この歳出カットを踏まえても2014年には赤字は3.3%に拡大する見通しだ。オランダはEUの主要国で、ギリシャやイタリアに対して基準を満たすように求める立場だ。この点も、オランダ政府の危機感を強くしている。
アレクサンダー国王は、ベアトリックス女王の退位を受けて13年4月に即位したばかり。即位後の議会演説は初めでで、国民に与えたインパクトは大きかったようだ。すでに野党からは
「未来に何の希望や信頼も見いたせない」
「内閣は増税が多すぎるし、労働市場改革への動きも遅い」
といった反発の声が出ている。