新型フィットHVが好調のホンダに、新型スポーツカーへの期待が高まっている。
すでにホンダの米現地法人、アメリカン・ホンダモーターが2013年8月4日、新型「NSX」の試作車によるデモンストレーションを、米オハイオ州で開催されたインディカーシリーズ第14戦で、世界で初めて公開。2015年の量産開始に向けて現在開発中という。
「NSX」は2015年にも国内で発売予定
ホンダは2013年9月6日、6年ぶりに全面改良した小型車「フィット」の販売を開始した。話題の「フィット ハイブリッド(HV)」は燃費が約4割よくなり、ガソリン1リットルあたり36.4キロメートルを走る。
低燃費を売りにしたトヨタ自動車の小型HV「アクア」を上回る「世界最高水準」の燃費と、163万5000円から(HV車)という低価格で、アクアを追撃。発売前の事前受注台数は2万5000台。発売後10日を過ぎたが、ホンダは「販売店からは好調が続いていると聞いています」と話す。
こうした新型フィットの勢いを背景に、ホンダの新型スポーツカーへの期待感も大きく膨らんでいるようだ。
NSXはホンダが1990年に発売した高性能スポーツカー。その後の環境規制に対応できず、2005年に一たん生産を終えたが、後継車両の開発を続け、12年1月の北米国際自動車ショーでコンセプトカーを発表。同2月には伊東孝紳社長が「15年以降に日本でも発売したい」と表明していた。
13年8月にお披露目した新型NSXは、軽量なボディに次世代の直噴V型6気筒エンジンを車両の中心に配置するとともに、新型のハイブリッドシステムを搭載。エンジンと高効率モーターを内蔵したデュアル・クラッチ・トランスミッションと、左右の前輪を独立した二つのモーターで駆動する電動式の四輪駆動システムによって、高い走行性能と燃費を両立したという。予定どおり、2015年から北米を皮切りに世界で販売する計画だ。