ロシア南部に落下した隕石は直径15メートル級
隕石落下は、決して「昔話」ではない。記憶に新しいところでは2013年2月、ロシア南部を突然襲ったものがある。9月にはその「本体」が湖から引き上げられ、大きさは直径50~90センチ、重さは約600キロと報じられた。
米航空宇宙局(NASA)によるとこの隕石の「原型」は、大気圏突入前は直径約15~17メートル、重さ約7000~1万トンと推計される。ロシア南部の上空20~25キロで爆発し、破片が飛び散ったのだがその時の衝撃波が地上に伝わった。威力はすさまじく、建物の一部が崩壊し窓ガラスが割れ、約1500人がけがを負った。重傷者も少なくない。「直径7.8キロ」の隕石と比べると約500分の1のサイズながら、大勢の住民が被害をこうむった。
国内でも、隕石の記録は数多く残っている。国立科学博物館には、1885年に滋賀県大津市で見つかった「田上隕石」が展示されているが、重さは「国内最重量」の170キロ超。落下が確認されている隕石は、50件に上るという。
近年だけを見れば、確かに人々の生活を脅かすような隕石は日本には飛んできていない。しかし尾上准教授らの研究チームによる論文によれば、三畳紀に落ちたとされる隕石の威力はカナダと日本という遠く離れた国を結びつけるほどの想像を絶する大きさだった。たとえ直撃を免れたとしても、落下地点によっては大きな影響を受けない保障などない。「招かれざる客」がやってくる時期など、誰にも予想がつかないのだ。