コンビニ業界は過去最高の出店競争
ただ、実際にセブンの全国約1万5500店舗で見切り販売を実施しているのは1%程度だといわれている。確かにスーパーなどに比べ、セブンで見切り値引きされた商品を目にする機会は滅多にない。その理由について、あるコンビニ大手幹部は「見切り販売の時間帯を狙った顧客が増加し、定価での販売に影響が出るうえ、ブランドイメージが低下するとの懸念があるからだろう」と指摘する。だからこそ、業界の一部には「セブンさんが廃棄損失を15%負担することで、加盟店が見切り販売に踏み切れないようにしているのでないか」との見方もある。
しかし、公取委の命令が出て以降、全国で「見切り販売しないよう指示された」などと同種訴訟が起こされ、裁判所の判断は分かれている。コンビニ業界では過去最高水準の新規出店競争となっており、過当競争が繰り広げられている。近隣にライバル店がオープンして売上低下に陥る店舗も出てきているだけに、同社の価格戦略に不満を持つ加盟店が同種訴訟を提起する可能性もあり、今後の動向が注目される。