「天皇の座に即位しませんか」 「力作」迷惑メールの狙いはやはり…

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   天皇の座に即位しませんか―。思わず二度見してしまうようなこの一文は、最近広まっている出会い系勧誘メールのタイトルだ。約1000字にもおよぶ本文には「実は貴方様に、天皇になって欲しいのです」などと綴られている。

   答えによっては一国を動かしかねない衝撃的な内容に「久々の力作だと思うわ」「ちょっと即位してくる」とインターネット上でも話題になっている。

「正当な皇位は我が熊野宮家にある」

   季節の挨拶から始まるメールは、すでに迷惑メールらしからぬ雰囲気が漂う。次に続くのは「実は貴方様に、天皇になって欲しいのです」の唐突すぎる申し出。差出人は「現在千代田城を根城にしている自称天皇家は帝の地位を詐称する偽物」であり、「正当な皇位は熊野宮信雅王の直系血脈である我が熊野宮家にある」ともっともらしく説明する。ちなみに「熊野宮信雅王」は、戦後登場した自称天皇の代表的存在「熊沢天皇」が皇位継承の正当性の根拠にしたことで知られている。

   差出人の父、「今上陛下」は男子を授からず、現在皇太子の座は空位のまま。メールでは、父が崩御まで間もないことを「極秘」で明かし、「遠縁ながら熊野宮家の血を継ぐ」メール受取人に、自身の婿養子という形で「第121代天皇を受け継ぐ者として立太子の礼をあげてください」とお願いする。

後半で一転「私はGカップの20代女子大生」

   前半部分だけでも十分胡散臭いのだが、後半を読めば全てが嘘だと明らかになる。婿養子になるにあたり「私を妻とする事に依存(原文ママ)が無ければ」という控えめな条件の後には、出会い系勧誘メールで見慣れたプロフィールが記されているのだ。名前は茶々。20代の女子大生でGカップ、ちなみに処女だという。ホームページで判断の上、もしOKならば「ホームページ上にある『立太子ボタン』を押してください」とのこと。もし受取人が断ると、120代に渡って続いてきた「天照の血」が途絶えてしまうというのだから責任重大だ。

   同メールを受け取った人物の1人がインターネット上に2013年9月アップすると、たちまち話題になった。「久々の力作だと思うわ」「名誉毀損罪は適用されそうだ」「まさか迷惑メールで熊沢天皇の名前を見ることになるとは…これ書いたやつは近代史好きか」「ボタン一つで即位できる時代か ネットの発達ってすげーな!」とさまざまな反応があがっている。

   ちなみにこの迷惑メールは2007年には既にあったらしい。内容はほぼ同じだが、当時のメールではGカップではなくEカップとなっていたようだ。

姉妹サイト