民主党は2013年9月13日、福島県内で東京電力福島第1原発の汚染水対策会議を開き、その中で認識を質された東電の山下和彦フェローは
「今の状態は、申し訳ありません。コントロールできていないと我々は考えております」
と述べた。
民主党としては、東電側の発言を引き出すことで、安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)総会で「状況は完全にコントロールされている」と発言したこととの不整合を攻撃する狙いがあるとみられる。
菅官房長官「コントロールできていない」のは個々の事象に過ぎないとの見方
この点について、菅義偉官房長官は同日午後の記者会見で、発言について
「何回か厳しく問い詰められてそう言われたということについては承知している」
と指摘した。その上で、発言の経緯を東電に確認したとして、
「東電側は、貯水タンクからの汚染水漏えいなどの個々の事象は発生している、という認識の上で(発言のような見解を)示した、というふうに聞いている。こうした個々の事象が発生したとしても、先日、原子力災害対策本部で決定した汚染水問題に関する基本方針に基づいて、対策を予防的・重層的に講ずることによって、汚染水の影響が外洋に及ばないようにしていく、ということ。安倍総理は以上の状況の中で、『コントロールされている』という発言をされたと理解している」
と、「コントロールできていない」のは個々の事象にすぎないとの見方を示した。