日本人観光客2人が襲われたトルコ・カッパドキアで、地元の人たちによる1000人規模の追悼行事が行われた。その様子は日本のテレビでも紹介された。インターネット上でも話題となり、トルコの「親日」イメージがさらに印象深いものとなったようだ。
「皆様の悲しみは、私たちの悲しみです」
新潟大学4年の栗原舞さん(22)と寺松星絵さん(22)は2013年9月9日、カッパドキアのゼミ渓谷を散策中にナイフを持った男に襲われた。一時重体となった寺松さんは病院で手当てを受けて回復したが、栗原さんは命を落とした。
トルコ政府観光局は事件翌日、「ご遺族をはじめ親愛なる日本国民の皆様にお悔やみを申し上げると共に、寺松星絵さんの一刻も早いご回復をお祈り申し上げます」というプレスリリースを発表。事件の起きたハイキングコースには、地元住民からの献花が数多く並んだ。
さらに現場では、約1000人による大規模な追悼行進も行われた。若者から年配の人たちまでが参加し、手には日の丸の旗やプラカードを持っている。プラカードには「皆様の悲しみは、私たちの悲しみです」「ごめんなさい」「トルコはまい くりはらを忘れません!」などといった追悼の言葉が日本語で記されていた。
日本でも反響「逆の立場ならこんな行動がとれるかどうか・・・」
昔から親日国として知られるトルコ。2020年夏季五輪の東京開催が決定した際にも「Tebrikler Tokyo」(おめでとう東京)のツイートが相次いだことは記憶に新しい。追悼行進を知った日本人からは「逆の立場ならこんな行動がとれるかどうか・・・。立派な国民性と感じました」「この感激を伝えるには…言葉が…足りない…」「トルコは親日ときいてたが…ここまでとは!」という声があがった。一部からは「日本人が来なくなると困る利害関係者だろ」といった指摘もあるものの、トルコ人による追悼の思いは多くの日本人に届いたようだ。
各報道によると、トルコの捜査当局は11日、身柄を拘束していた26歳の容疑者を殺人などの罪で逮捕。現在、容疑者は容疑を否認しているという。