黒田日銀総裁が予定通りの消費増税を政府に迫る 権限外への「口出し」、さすが「財務省DNA」の声

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「追加緩和」についても言及

   一方で、増税を先送りした場合、「金融市場あるいは経済に与える影響は難しい」としたうえで「大切なことは財政運営に対する市場の信認を確保すること」と強調。「信認が失われると国として極めて困難な状況に陥りかねない」とも述べた。さらに仮に先送りで国債価格が大幅に下落した場合、「(財政・金融政策の)対応は非常に難しくなる」と指摘した。

   国債価格が急落すれば新たな国債発行が難しく「財政を拡張するわけにはいかないため」で、国債を大量に買い入れる金融政策も効かなくなる、との考えだ。聞いていた多くの記者は、リスクを指摘することで「予定通り増税するべきだと促した」と受け止め、翌日の各紙紙面は一様にそんな見出しが躍った。

   そのうえで、黒田総裁は逐次投入しないため封印している追加緩和についても言及。消費増税などにより、景気の落ち込みが想定を超え「日銀の2%の物価目標達成に対しリスクが顕在化すれば、適切な対応をとる」とも述べた。金融市場はこれを「来年度前半の追加緩和が現実味を帯びた」(外資系エコノミスト)と受け止めている。逆に言えば、「追加緩和で支えるから増税してください」とのメッセージでもあろう。越権行為ギリギリの言及に日銀内には驚く人もおり、市場では「財務省で税担当だったからなあ」と「DNA」を指摘する声も多い。

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