五輪残留したレスリングで階級変更 女子3連覇の吉田と伊調に「追い風」

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本来63キロに満たず、海外選手との戦い不利だった

   栄氏の妻が吉田選手のために特別な献立をつくったが、本人は少ししか食べられない。しまいには栄氏に怒られて泣きながら食べたというエピソードも、女性自身で紹介されていた。

   伊調選手の場合、高校時代は当時の56キロ級で戦っていた。2000年、2001年には吉田選手と全日本選手権で顔を合わせ、いずれも苦杯をなめている。それもあってか、2002年に63キロ級に変えた。つまり、もともとの階級から増量していたのだ。

   ロンドン五輪を控えた2012年4月25日付のスポーツニッポンは伊調選手の特集記事の中で、「本来、体重が63キロに満たない伊調にとって、前日計量後に体重が増えてくる同階級のライバル、特に海外選手との戦いは圧倒的に不利」と説明している。そこで、無用なパワー勝負を避けてピリオド終盤に1点ポイントを取って勝つ戦法を徹底し、その後の「黄金時代」につなげたそうだ。

   要するにふたりとも、自分にとって最適な体重よりも上のクラスを主戦場とせざるをえなかったうえ、五輪3連覇の偉業を達成していたことになる。今回の階級変更について両選手は「体も動きやすくなるので問題ない」と語っているようで、これまでの経緯を考えるとむしろプラスに作用しそうだ。

   吉田選手は東京五輪が決定したらそれまで現役を続行すると「公約」していたが、自身にとってのベスト体重の階級が設けられたことで伊調選手ともども選手寿命が延び、リオ五輪で前人未到の4連覇、そして母国での5連覇をもつかみ取るかもしれない。

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