欧米から「不公平」「非関税障壁」の批判
同時に、軽の税制優遇を巡っては、TPPに並行する米国との協議や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)交渉でも「公平な競争を阻むもの」と批判されているという問題がある。軽が日本だけの規格で、極端な税優遇は非関税障壁という理屈だ。
経済産業省は「ユーザーに追加的な負担が課されないようにしっかり対応する」(8月30日、茂木敏充経産相)としているが、通商交渉もにらみ、立場は微妙との見方もある。 総務省は大学教授らで構成する有識者検討会を設けて議論を進めている。取得税が都道府県税、軽自動車税は市町村税であるため、軽を増税した場合の税収をどう割り振るかなどを含め、10月までに詳細を詰め、与党の税制調査会に提案する方針だ。
業界はさっそく反対の声を上げている。スズキの鈴木修会長兼社長は8月29日、「軽の購入者に年収1500万円以上の人はほとんどおらず、所得の比較的少ない方々が生活や商売のために利用している」として、軽自動車増税を「弱い者いじめ」と批判。ネット上ではユーザーから鈴木会長に支持、共感のコメントが目立つ。