「ネトウヨは低学歴でニート」は大嘘 その正体は30~40代の中流層だ
『ネット右翼の逆襲』著者・古谷経衡さんに聞く

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「ネット右翼」の根幹をなすのは「アンチ・メディア」

――年齢面でも、38.15歳というのは思った以上に高いですが。

古谷 精神科医の香山リカさんや社会学者の萱野稔人さんなど、メディアや多くの学者は格差社会による若者の貧困がネット右翼を生み出したとし、フランスなどの移民排斥運動と同じ構造だと論じています。しかしこれは全くの間違いです。調査結果からわかるとおり、実際の「ネット右翼」と呼ばれる人たちは決して貧困ではない。
   日本における「ネット右翼」の根幹はむしろ「既存メディアへのアンチ(反発)」です。「嫌韓」が生まれたきっかけも、特に2002年の日韓W杯当時、メディアの中で韓国への批判が一種の「タブー」となっていたから。当時メディアへ反発した人たちは情報を求めて、ネットの世界に流入していった。彼らがそのころ20代だったとして、そのまま10年経って「高齢化」したとすれば、「38.15歳」という年齢は納得がいく。
   「ネット右翼」と呼ばれる層、保守・愛国に「目覚めた」という人々は欧州の極右より、米国の「福音派」(宗教右派)に似ている部分があると思うんですね。福音派も、裕福な30代以降の人があるとき「目覚めて」信者になるパターンが多い。

――メディアでは「若者の右傾化」という形でしばしば報じられますが、だとすればまったく的外れということにもなります。

古谷 ですから左の方には「全然心配する必要ないですよ」と言いたい(笑)。実際に反原発のデモなんかを見ても、若い人が多いですよね。この間の参院選で山本太郎さんが若い世代を中心に66万票以上を集めたのも、まさにその証拠です。
   逆に「最近の若者はまともになっている」と安心している保守派は、もっと危機感を持つべきです。
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