海外との連携を深めることで立て直しを図る
今回のトップ交代で経営改革を図ることになった背景には最近の販売不振がある。
原田氏は2004年に日本マクドナルド社長に就任すると、100円マックの展開や不採算店の閉鎖などを積極的に行って収益基盤を強化し、業績を立て直したことは広く知られる。2002、2003年12月期と2年連続の最終赤字だったのを黒字へと転換させ、営業利益は2006年12月期から6年連続で増益を記録した。しかし、定番商品の重視で新商品の投入が減ったことなどから、2012年12月期には9年ぶりの減収減益となり、2013年12月期も2年連続の減益となる見通しだ。
こうしたことから、長引くデフレで外食産業に低価格路線が定着する中、原田氏のワンマン体制から脱して海外のマクドナルドとの連携を深めることで立て直しを図ることにしたとみられる。原田氏としては、余力を残してのバトンタッチを図ったとみられる。
ただ、日本には多様な外食産業があり、コンビニも弁当や総菜に力を入れ、外食産業を脅かしている。こうした激しい競争が続くだけに、カサノバ氏率いる新生マックが海外の手法など、どんな新機軸を打ち出してくるか、業界内外の注目が集まる。