阪神の藤浪晋太郎が2013年8月31日の広島戦で10勝目を挙げ、新人王の有力候補となった。高卒ルーキーとしては抜群の成績で、先行していた巨人の菅野智之、ヤクルトの小川泰弘は大慌てである。
新人王争いは巨人・菅野、ヤクルト・小川との三つ巴
藤浪の10勝目は6回を1点に抑えた立派な内容だった。登板ごとに進化している感じである。
「(10勝は)通過点と思っている。残りの登板でも頑張ります」
試合後のセリフもプロの世界で何年も投げている投手のような言い回しだ。普通は2ケタ勝利に到達すると、実力者はひと安心だし、初めての投手は大喜びする。さすが大阪桐蔭高のエースとして甲子園で春夏連覇を達成した投手である。
高校卒業の新人投手が10勝したのは楽天の田中将大が2007年にマークして以来。セ・リーグとなると、阪神の先輩である江夏豊が1967年に記録して以来、実に46年ぶりのこととなる。
これで藤浪の新人王はかなり可能性が出てきた。
振り返って見ると、菅野と小川が開幕から順調に勝ち、新人王争いはこの2投手に絞られていた感があった。藤浪は後発だったが、投げる試合を確実に勝って追い上げてきた。8月が終わった時点で、3投手の争いになった。