長谷川洋三の産業ウォッチ
安倍首相の長期政権意欲:総理が1年で交代してはだめだ

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「私がカタールを首相として訪問したのは6年前。総理が1年で交代してはだめだ。変わるとそのつど行かなければならなくなる。しっかりと腰を据えた経済外交が必要だ」

   2013年8月27日夜、ドーハ市内のホテルで開いた首相主催の夕食会で安倍首相は日本の存在をアピールするとともに長期政権に意欲を示した。

   28日開いた日本・カタール・ビジネスフォーラムには両国関係者約600人が参加し、アルサダ・カタールエネルギー工業大臣も日本との安定的なエネルギー供給を表明した。安倍首相の中東訪問は2007年に続くもので、本年はすでにサウジアラビアなどを訪問し、今回は2度目。神戸製鋼所の新入社員時代、カタールに製鉄所を作るプロジェクトに参加した思い出を持つ首相だが、親日国のもてなしにはご満悦だった。

「どんな良い政策でも中身がなければ空虚なものだ」

「安倍政権の経済政策が好影響を与えているが、カギとなるのは成長戦略だ。どんな良い政策でも中身がなければ空虚なものだと中国の首脳も言っている」

   中東協力センターの奥田碩会長(トヨタ自動車相談役)は2013年8月25日アラブ首長国連邦のドバイ首長国で開いた第38回中東協力現地会議で安倍政権についての私の質問にこう答えた。長期政権になるかどうかは成長戦略の成否にかかっているともいえそうだ。

   中東協力ドバイ現地会議では国際石油開発帝石の黒田直樹会長、コスモ石油の岡部敬一郎名誉会長、日揮の川名浩一社長ら、エネルギー、プラント関係者だけでなく、金融、サービス、教育関係者など約400人が参加、インフラ輸出に関する民間部門の取り組みなどに熱心に意見を交換した。

   奥田会長らはその後カタールのドーハで開いた日本・カタール・ビジネスフォーラムにも出席し、中東訪問中の安倍晋三首相と同行の米倉経団連会長ら経済界の訪問団とも合流、中東湾岸諸国との重層的な協力の在り方について現地首脳と意見交換した。

長谷川洋三

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