読売もクギを刺す
文科省案に対し、規制委の田中委員長は、原子力機構がもんじゅの開発と運転管理を続けることを問題視し、「原発の安全技術を支える機関が発電まで手を広げるのはどうか」などと批判、機構の業務を「もんじゅ」などに絞ることで安全研究がおろそかになりかねないとの懸念を示している。
今回の改革案を踏まえ、原子力機構は秋をめどに具体的な改革計画を策定するが、規制委は今後、文科省や機構に対し意見の反映を求める考え。規制委が認めない限り、原子力機構は「もんじゅ」の運転再開に向けた作業ができないだけに、文科省には大きな壁になる可能性がある。
そもそも、国のエネルギー政策の見通しが不透明な中で、もんじゅの改革などできるのか、という根本的な疑問も残る。大手紙でも、「もんじゅ」継続に否定的な「朝日」「毎日」が「もんじゅの存続にこだわるより、事故への対応や廃炉、安全研究に機構の業務を集約する方が、よほど日本の将来のためになる」(「毎日」8月14日社説)などとするのは当然としても、今回の重点業務への集約という方向を支持する「読売」でも、「政府の原子力政策や核燃料サイクル政策の混迷が続く中で、もんじゅの位置付け自体が不明確だ。これでは、機構の速やかな改革にも障害となろう」と釘をさしている。
文科省案がスンナリ通る状況ではないようだ。