14年春から東京湾アクアライン「800円」なくなる これだけじゃない高速料金見直し、値上げ

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   国土交通省は全国を走る高速道路の通行料金を見直し、2014年4月から値上げする方向で検討している。

   現行、普通車の片道料金が800円の「東京湾アクアライン」や、平日深夜や通勤時間帯、土・日普通車の「50%割引」を実施している本州四国連絡高速道路なども、大幅に値上げされる。国交省は「2013年中にも新たな料金を決めたい」としている。

千葉県・森田知事、アクアライン「800円」恒常化求める

2014年春、高速道路の通行料金は値上がり必至か?
2014年春、高速道路の通行料金は値上がり必至か?

   「800円がまた通常料金の3000円に戻るようなことがあってはならない」――。千葉県の森田健作知事は夏休み前の2013年8月1日の定例記者会見で、東京湾アクアラインの通行料金「800円恒久化」を求めて、そう力を込めた。

   東京湾を横断する東京湾アクアラインは1997年12月に開通。川崎側がトンネル、木更津側が橋梁でできていて、その接続部にいまや観光スポットにもなったパーキングエリア「海ほたる」がある。

   通行料金は、普通車の通常料金の場合で片道3000円。ETC(自動料金収受システム)割引の場合は2320円。それが現行はETCを搭載したクルマを対象にした「社会実験」のため、800円になっている。

   千葉県によると、川崎~木更津間の時間短縮効果は、高速湾岸線を通るルートを利用した場合(走行距離約100キロメートル)で、所要時間は約90分(法定速度の時速80キロで走行)。それがアクアラインを利用(走行距離約30キロ)すれば、約30分。その差は60分。もちろん、一般道路を使えばさらに1時間以上かかる。

   片道3000円のときは「閑古鳥」が鳴いていたが、2009年8月に「社会実験」がスタートしてからは通行量が格段に増え、「アウトレットなども含め大型店が出店ラッシュ、そして雇用も増え、人口も増え、土地も上がってきていると聞いております」と、森田知事も胸を張るほどの成果をあげた。

   しかし、そんな東京湾アクアラインの「社会実験」も14年3月31日をもって終了。通行料金が現行の3.8倍にあたる3000円に跳ね上がる可能性も出てくる。

   そうなれば、木更津はおろか房総半島の館山や勝浦などの観光で賑わっている地域も、深刻な打撃を受けることは容易に想像できる。千葉県としては、気が気でない。

料金割引「儲ける機会を減らすことに」

   東京湾アクアラインの値上げは避けられそうにない。

   ただ、国土交通省は「通行料金が3000円になることはありません」と断言。「現段階では、3000円より安くなりますが、どこまで下げられるか。具体的な金額は決まっていません」と話している。

   現在、国交省はNEXCO東日本などの道路会社が導入した割引料金制度を総点検している。「アクアラインも全国の高速道路のパーツの一つでしかありません。(国交省で)統一的な料金をつくってから、NEXCOが割引メニューをつくることになります」と説明する。

   それでなくても、高速道路事業はこれまで採算度外視で、全国に高速道路を網の目のように張り巡らせてきた。結果、多額の借金を背負い、その返済に追われている。

   国交省は「建設コストは通行料金で賄うのが原則です。割引を続ければ、儲ける機会を減らすことにもなります」と厳しい。同省は少なくとも「50%」の割引率は「行き過ぎ」とみており、よほど地元自治体などの財政支援がないと、「50%割引」はなくなることになりそうだ。

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