米国債に連動する形で欧州の優良国債も、上昇基調をたどる
米金利が上昇しているのは、米連邦準備制度理事会(FRB)による現在の量的金融緩和第3弾(QE3)の縮小観測が、改めて強まっているためだ。早ければ9月中旬の米公開市場委員会(FOMC)、遅くとも年内には着手すると見られている。8月中旬以降の雇用や住宅関連の指標が市場予想を上回る強さを見せていることなどから、米景気が力強い回復基調にあり、景気テコ入れ策であるQE3は近く縮小すると金融市場が見ているためだ。
米国債に連動する形で特に8月中旬以降、ドイツや英国といった欧州の優良国債も、上昇基調をたどっている。長く低迷した欧州全体が景気底入れを探っていることが背景にあるが、同様に景気回復基調にある日本の国債だけが米国債に連動しなくなっている格好だ。市場関係者の中にこれを 「真夏のミステリー」と呼ぶ向きもある。