米兵が見学の子に銃持たせたと市民団体抗議 「なぜ悪いのか」とネットで疑問の声

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   基地見学で米兵が子どもたちに銃を持たせたとして、市民団体が米軍に抗議したことに対し、ネット上で疑問が相次いでいる。市民団体は「人殺しの道具を持たせるのは教育上よくない」と説明するが、どうなのだろうか。

   ポーズを示す米兵の横で、日本人の男の子らが自動小銃をうれしそうに構えている。市民団体が報道陣に公開した当日の写真だ。

米海軍横須賀基地で武闘訓練も公開

   今回抗議したのは、神奈川県平和委員会、安保破棄・諸要求実現神奈川県統一促進会議など5団体。その抗議文によると、米海軍横須賀基地で2013年8月3日にあった一般開放行事で、米兵らは、実弾は抜いていたものの、子どもたちを含む一般見学者に銃器を持たせた。さらに、武闘訓練も公開し、銃剣をかざしながら、「殺せ!殺せ!殺せ!」と叫び、「処刑、用意!」として首を絞める様子を見せたという。

   抗議文では、銃器を持たせる行為は、銃への関心を惹起させるとし、日本の裁判権が及ばない基地内での行為についても、その所持を禁じている銃刀法の趣旨に明確に違反していると主張した。日本の法令を尊重するとした日米地位協定第16条にも反していると言う。子どもたちが銃を持つなどしたことは、「教育的に重大な問題」だと言っている。

   米軍には、9月10日までの回答を求めており、その内容によっては、刑事告発も検討するという。市民団体では、行事当日にスピーチをした横須賀市の吉田雄人市長らに対しても、今回のことに見解を求める公開質問状を出した。

   このニュースが流れると、ネット上では、市民団体の主張に首をかしげる声が相次いだ。

   子どもたちに銃を持たせただけで何が悪いと言えるのか、というものだ。実際に銃を持つことで、その怖さを知るといった教育的効果もむしろあるのではとの声もあった。これでは、戦艦に乗ったり、戦闘機に座ったりするのもダメになってしまうという指摘も出ている。

「人殺しの道具は教育上よくない」

   抗議した理由について、安保破棄・諸要求実現神奈川県統一促進会議の事務局長は、取材にこう説明した。

「銃などは人殺しの道具ですから、子どもたちに持たせるのは教育的によくないということです。道徳的、倫理的に人を殺してはいけないわけで、大人でも持つのはよくありません」

   むしろ教育的ではとの指摘については、「米軍は、人を殺してもいいという観点から銃を触らせています。人を殺してはいけないことには同意すると思いますので、そのような観点から考えてほしい」と反論した。戦艦や戦闘機については、「乗ったりすることは確かに違反ではありませんが、人殺しの道具として道徳的、倫理的には問題があると思います」と話している。

   一方、米海軍横須賀基地の司令部広報では、取材に対し、「デモンストレーションの一環として、来場者の一部の日本人(お子様を含む)の方々に求めに応じ装備品を持たせていたようです」として、子どもらに弾丸未装填の銃などを持たせていたことを認めた。そのうえで、「米海軍は今回の件が、文化的な背景の違いから一部の方々に対し、意図せず大変不快な思いをさせてしまったことから、今後同様のことが起らぬよう最大限配慮してまいる所存であります」とコメントしている。

   なお、2012年4月には、陸上自衛隊でも練馬駐屯地の行事で市民に銃を持たせていたことが分かり、市民団体が陸自幹部らを銃刀法違反で1年後に刑事告発する事態になっている。このときも、ネット上では、銃刀法違反にまで問うことに疑問の声が出ていた。

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