ボーナスが増えれば、消費者は支出にお金を回す
このためか、家族2人以上の世帯の消費支出は、国内パック旅行や宿泊料など「教養娯楽」の支出が前年同月比7.7%増と2カ月ぶりの実質増加に転じた。全体の消費支出が0.4%減とわずかに落ち込む中、教養娯楽費は「被服・履物」の8.1%増、「保険医療」の7.8%増に次ぐ高い伸びを示した。教養娯楽費の中では、宿泊料が33.0%増、国内パック旅行費が16.5%増、海外パック旅行費も16.3%増と高い伸びだった。家計調査で消費支出が増えた品目としては、 このほか外食の洋食代23.6%増、酒類の焼酎代20.4%増などが目立つ。
明治安田生命の調査と総務省の家計調査はぴたりと符合する。月給が必ずしも伸びなくても、ボーナスが増えれば、消費者は夏休みに旅行に出かけ、外食を楽しむなど、貯蓄よりも支出にお金を回すということだろう。これがアベノミクス効果なのは間違いなさそうだが、果たして景気好転は本物なのか。明治安田生命の調査によると、帰省で飛行機を利用した男女の約2割は格安航空会社(LCC)を利用するなど、節約に努めているという実態に変化はない。安倍政権は14年4月の消費税率引き上げを最終判断するため、有識者や各界の専門家ら60人から意見を聴く集中点検会合を8月31日まで開くが、まさに政権の経済運営の真価が問われるのはこれからだ。