掲示板「2ちゃんねる」の有料サービス利用者の個人情報漏洩で、これまで誰がどんな書き込みをしていたかが知られることになってしまった。
匿名で書き込みができるため、特定の人物の悪口やデマが堂々と流れていたが、小説家の杉井光さんのカキコミが出版社や同業者を誹謗中傷していた、とネットで騒ぎになり、杉井さんは公式ホームページ上で「下劣な行為をしてしまった」などと謝罪した。
小説よりも「2ちゃん」書き込みが生き生きしている
今回ユーザー情報が流出したのは、「2ちゃんねる」の過去の書き込みが読めたり、自分が書き込みを行う際に連続投稿や文字数制限などが緩和され投稿したりしやすくなる「2ちゃんねるビューア(通称●)」の利用者で、4万とも5万人とも想定される規模になっている。
「2ちゃんねるビューア」利用は有料のため、クレジットカードで支払った人のクレジットカードのカード種別、カード番号、セキュリティコード、有効期限、登録時の住所、電話番号、そしてメールアドレスやIPアドレスなどがネット上に流出した。しかしそれだけではない、流出した情報から個人が特定できればその人が「2ちゃんねるビューア」で書き込んだものを読むことが出来るのだ。
そうしたなか、小説家の杉井さんの「2ちゃんねる」へのカキコミが見つかったとネットで話題になったのが2013年8月25日頃から。杉井さんはアニメ化もされた人気ライトノベル「神様のメモ帳」シリーズの著者で、2ちゃんねるユーザーにもファンが多いことから今回の騒動に関するまとめサイトのようなものも作られ、13年7月から8月にかけての一連のカキコミが紹介された。
もちろん杉井さんは匿名で投稿していたが、同業作家への誹謗中傷や、出版社の悪口、自身や自身の作品の自画自賛が書かれているとし、
「ラノベより2ちゃんでの匿名煽りスレのほうが生き生きしているじゃないか」
などとバッシングのようなものに発展した。同業の作家に関しては、
「要するにこの人自分をでかく見せるためには思いついた嘘をまったくためらわずに書いちゃうんだよ。そういう病気だから」
といったことを書いていた。