「バカッター騒ぎはなくなることはない。これからも続く」
こうしたネットの「炎上」騒ぎは、1つ起きると同様の事例がいくつか続く傾向があるが、それでも今回は、件数といい期間といい、いささか異常な過熱ぶりを見せている。
ITジャーナリストの井上トシユキさんは、いくつかの背景が重なっての「相乗効果」が、一連のバカッター騒ぎとなっていると分析する。
ひとつはスマートフォンの普及で、撮った写真をすぐその場でツイッターなどに投稿できるようになったことだ。加えて「自分ならもっと面白いことができる」と、度胸試し的、あるいは「大喜利」的な感覚で安易に投稿する風潮も、事態のエスカレートを招いているとも言う。
「夏休み」というタイミングも大きい。
「夏休みということでアルバイトを始めたような若者が、新しくできた仲間に『自分はこんなに面白いんだぜ』とアピールしようとして投稿する、というケースも多いのでは。写真を広める、あるいは過去の写真を発掘し『告発』するようなユーザーにしても結局は同類で、まさに『踊るアホウに見るアホウ』の世界です」(井上さん)
そのため「夏休みが終われば多少沈静化する」というのが井上さんの見立てだが、同時にこうしたバカッター騒ぎが「なくなる」ことはない、と断言する。
「過激なことをやりたがる人間は常に一定の確率でいますから。むしろメディアは、今回の騒動を大きく報じ、『こうしたことはやってはいけない』とより広く伝えるべきでは」