TPP交渉参加の日米の政府間協議が影響?
もちろん、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加の事実上の前提となった日米の政府間協議が影響した、と業界では見られている。2013年4月に決着した日米TPP事前協議では、保険の公平な競争性を保つための透明性確保で合意した。具体的には、国が唯一の株主である日本郵政傘下のかんぽ生命の新規業務凍結を意味する。
その合意の後、急展開したのが、アフラックと日本郵政の提携拡大協議だったわけだ。「政府は日本の保険市場を差し出すことでTPPの切符を得たというのか」との恨み節が生保業界に聞かれる所以だ。
一方、日本郵政の関係者からは「日本郵政が上場を目指して企業価値を高めるなら、いつまでも日生にこだわらずにアフラックの商品を売る方がいい」との主張が聞かれる。かんぽ生命は民営化以降もジリ貧。それでいて新規業務の手足も縛られるとなれば、ひとまずアフラック商品を売って手数料ビジネスで稼ぐのも一計というわけだ。
がん保険でシェア7割とはいえ、国内勢に押されシェアが低下基調のアフラックにとっても渡りに船だ。かんぽ生命を批判した過去など忘れたも同然だ。しかしそのことで、日本で利益の8割を稼ぐアフラックに対する業界の目線は厳しさを増している。