好調な業績から、黙っている方がよいと判断?
国際金融アナリストの小田切尚登さんは、この点について、次のように言う。
「最近は、企業に対して、内部をしっかり管理できるかというコーポレート・ガバナンスが重要視されるようになってきています。上場企業なら、本来はスキャンダル報道などについて説明すべきであると思います」
エイベックスや松浦勝人社長がコメントしないことについては、こうみる。
「10年以上も前のことで証拠もないようですので、黙っている方が得策だと判断したのでしょう。弁護士もアドバイザーに就いているはずですから、コメントしてもよいことはないと助言され、ほとぼりがさめるのを待っているのだと思います」
会社の業績としては、ケータイ向け映像配信サイト「BeeTV」などが好調で、2013年3月期決算では、営業利益が過去最高を記録している。文春報道翌日の8月22日には株価が5%ほど下がったものの、翌23日には報道前に戻っており、小田切さんは、会社の利益が上がっているので、株価に影響しないとの判断もあったのではないかとみている。
ただ、エイベックスの音楽事業だけは、長期的な低迷から脱していない。そのことから、報道があった背景には、こうした事情が反映しているのではといった穿った見方も一部で報じられている。