大リーグ通算4256安打の最高記録を持つ元「安打製造機」ピート・ローズ氏が、ヤンキース・イチロー選手の日米通算4000安打達成に、「自分の記録と比べて欲しくない」と水を差した。ただ、同氏も「イチローが最初から大リーグでプレーしていれば」と問いかけている。
単純に比較できないのは確かだが、キャリアのスタートから大リーグでプレーしていれば、すでにローズ氏の記録を抜き去り、5000安打も視野に入るステージに迫っていたかもしれない。
日本では1278安打
ローズ氏はイチロー選手の記録達成をめぐって日米メディアの取材に応え、自分の記録と比べて欲しくないなどと述べた一方で、「イチローが最初から大リーグでプレーしていれば、どれほど打っただろうか」と、自らに問いかけている。「米国に来たときにはすでに実績をあげた打者だったから」と残念そうだ。
イチロー選手がオリックス入団後、レギュラーとして定着し活躍し始めるのは3年目の1994年のシーズンから。この年は全130試合に出場し計210安打を放った。94年からオリックス最後の2000年までの7シーズン、それぞれ103~135試合に出場し計1242安打。1、2年目の計36安打を合わせて日本では1278安打を打っている。
大リーグ1年目の01年、イチロー選手は全162試合中157試合に出場し242安打を記録。日本でレギュラーだった7年のスパンで見てみると、07年までの7シーズン、157~162試合に出場し04年の262安打を最高に、毎シーズン200安打以上を放っている。7シーズンの合計は1592安打。
「イチローと同じ時代にプレーして首位打者を競いたかった」
イチロー選手が仮に米国でプロ野球選手としてのキャリアをスタートさせていたとして、そのまま日本での軌跡通りの歩みができたかどうかは分からない。しかし、渡米後の活躍ぶりをみれば、3年目にメジャーでレギュラー定着し、その後の毎シーズン200~250安打を重ね、10年目までに1500~1600安打を達成することは大いに可能性がありそうだ。そうなっていれば、日米通算4000安打を達成したあの一打までにローズ氏の記録を抜いていたかもしれないのだ。
ローズ氏はUSAトゥデーの取材にこう答えている。「イチローと同じ時代にプレーしてシーズン200安打や、首位打者を競いたかった」、「大リーグでキャリアをスタートしていればイチローは4500安打を達成できた可能性がある。私は大リーグ1、2年目で309安打だけだったが、イチローは最初の2年で450安打も打っているのだから」