千葉選手の「カット打法禁止」に抗議相次ぐ ナイナイ岡村も参戦、「審判団の圧力」と批判

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   夏の甲子園、全国高校野球選手権大会を準決勝で敗退した花巻東高校(岩手県)の千葉翔太選手のカット打法をめぐり、お笑いコンビ、ナインティナインの岡村隆史さんが、大会を運営した日本高等学校野球連盟と審判団を痛烈に批判した。

   岡村さんが出演した2013年8月23日放送のラジオ番組 「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)での出来事で、岡村さんは千葉選手の身長が自身と同じ156センチメートルという小柄な点に「親しみを感じる」といい、シンパシーを感じているようだ。

高野連には50件を超える抗議や問い合わせが

ナイナイ岡村、「審判団の圧力」と痛烈に批判
ナイナイ岡村、「審判団の圧力」と痛烈に批判

   花巻東の3年生、千葉翔太選手のカット打法をめぐっては、準々決勝の徳島県・鳴門戦後に、審判団が花巻東の野球部長と監督を呼び、「バントの定義」を記した「高校野球特別規則の17項」の確認を行ったことが発端だ。

   審判団は、「千葉選手が相手の投手に球数を投げさせる狙いでカット打法を続けた場合、審判員の判断でバントとみなされ、スリーバント失敗で三振となる場合もある」と告げて、事実上、カット打法を「封印」させた。

   それもあってか、準決勝で花巻東は宮崎県の延岡学園に0対2で敗れ、決勝進出を逃した。

   これについて、日本高等学校野球連盟には50件を超える抗議や問い合わせが相次ぎ、8月23日になっても電話が鳴り響いている。「前日よりは減りましたが、(抗議や問い合わせは)まだ続いています」(高野連)という。

   高野連に寄せられる電話のほとんどは、千葉選手を擁護する声だ。「2回戦でも同様の打撃をしていたのに、なぜ準々決勝後に(説明)したのか」「なぜあの試合だけなのか」といった説明のタイミングに対する疑問。「岩手大会でも同様のことをしていただろうに、甲子園まで持ち越したのはなぜ?」という声もあったという。

「1回戦、2回戦がよくて準決勝でアカンて、遅くないですか」

   お笑いタレントの岡村隆史さんの指摘も、まずはその点から。「県予選や(甲子園の)1回戦、2回戦もよくて、準決勝でアカンって遅くないですか?」と疑問を投げかけた。

   続けて、通常の打撃か、バントなのかの判断が、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)によって、審判員が判断することになっているルールに触れ、「主審が決めることなら、そのときに主審が決めればいい。審判が(準決勝で千葉選手のカット打法をバントと判断し)アウトって言い、そこで問題になりたくないから、その前に『ややこしいことになるから、やめたほうがよろしいで』って(花巻東へ)圧力かけたんちゃうか? 審判団が」「審判団はそれでいいの?」と、痛烈に批判した。

高野連「断じて圧力などありません」

   一方、高野連は「断じて圧力などありません」という。「審判団が(花巻東の)部長と監督に『高校野球特別規則の17項』について確認したところ、『知らない』と言っていたので、その旨を説明し、紛らわしい行為には注意するよう伝えただけで、禁止したことはありません」と説明している。

   とはいえ、一つも負けられない大会で、審判団のひと言が高校生のプレイを委縮させてしまったことは否めない。準決勝の試合後、号泣する千葉選手が「自分のやりたかったことができなくて悔しいです。野球人生の中で一番悔しい」と話したことが、それを物語っている。

   ちなみに、水島新司さんの野球マンガ「ドカベン」に、「カット打法」が出てくる。主人公・山田太郎が明訓高校3年生の夏の神奈川県予選決勝の白新高校戦で、白新高校の白山選手がファールでカットしまくって、里中投手を疲れさせた。

   この場面では結局、ドカベンこと山田捕手は無理せず四球で歩かせ、盗塁死を狙った。

   ただ、意図的にファールを打つ技術は、簡単ではない。おそらく花巻東の千葉選手も、この白山選手のように、粘りのカット打法と俊足を武器に甲子園常連校の花巻東でレギュラーの座を獲得したのだろう。

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