告発の元女性社員が提訴すれば不利な状況に?
この点について、消費者庁の表示対策課では、2005年ごろから水増しがあった可能性は認めた。しかし、時間が経っていたこともあり、事実認定するには十分な証拠を集められなかったと答えた。
ところで、労組の首都圏青年ユニオンによると、元女性社員は、解雇された後に組合員になり、12年夏に秋田書店の水増しを消費者庁に告発している。解雇されたのは、水増しを告発しようとしたことと何か関係があるのか。
秋田書店の総務部では、元女性社員が内部告発しようとしたから解雇したことについては明確に否定した。罪をなすりつけたこともないという。景品を盗んだ証拠があるのかや、なぜ刑事告発しなかったかについては、弁護士に一任しているため今はコメントできないとしている。12年4月で水増しを止めたのは、社内チェックで発覚したからだといい、元女性社員とは直接関係がないとした。
ただ、もし元女性社員が提訴した場合、秋田書店は、不利な状況になる可能性もあるようだ。
テレ朝系「モーニングバード!」では13年8月22日、元女性社員が「私は景品を盗んでいません。盗んだ証拠でもあるんですか」と質したところ、秋田書店は「盗んだ証明をする必要はない」と話した、と報じた。これに対し、番組に出演した大澤孝征弁護士は、「証明責任は企業側にありますね。証明しないと、解雇は無効という結論になってしまいます」と指摘した。オークションに出した事実などがないと証明は非常に難しいといい、不利益処分をするときに本人の弁解を聞いたかも争点になるという。もし元女性社員が勝訴することになれば、内部告発との関係が再び問われる可能性も出てきそうだ。