「ルール自体が土台無理があるよな」
花巻東の千葉翔太選手は、主審に注意されたことに対し、「よく分からなかった」と報道陣に話したといい、佐々木洋監督も「わざわざズボンを触って、手でサインを出すなんてことはないです」と説明した。ただ、報道では、左右に手を振る仕草についてのコメントは見られなかった。
花巻東がサイン盗みを否定しており、白黒がはっきりしないため、高野連は処分しない方針を示した。ただ、また注意するようなことがあれば、没収試合もありうるとしている。
ネット上では、サイン盗みについて、意見が分かれている。
「やり方次第ではいくらでも出来る」「ルール自体が土台無理があるよな」などと花巻東に同情的な声がある一方で、「不正はいかんな」「出場停止相当だろう」という厳しい意見も出ていた。花巻東が2013年8月21日の準決勝で敗退すると、それまでの勝ちぶりを揶揄する書き込みまであった。
高校野球に詳しいスポーツジャーナリストの菅谷齊さんは、花巻東がサイン盗みをしたことには否定的だ。
「今はどこの学校も教育してやらせないようにしており、考えにくいと思います。意識的に相手を惑わす、花巻東の陽動作戦だったのでは。それも、千葉選手が考えて、本人の判断でやったのではないでしょうか。ああいうタイプの体が小さい選手は、レギュラーを獲るために、あらゆることをやります。それについての好き嫌いは別にして、考えてやっていることではないですか」
菅谷さんは、高野連の規則についても懐疑的だ。
「サインを見抜くことも、才能の1つですよ。今は投手がサインを出すこともあり、いろいろなことをやっています。そんな中で、こんなあいまいな規則を作る方がどうかしていると思いますね」