官房長官が前内閣法制局長官発言に不快感 集団的自衛権「解釈改憲」に向けて動き急

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   安倍晋三首相が2013年8月21日に夏休みから公務に復帰し、「安倍カラー」が強まるのは確実だ。周辺諸国は、この安倍カラーを「右傾化が加速する」と警戒しており、そのうちのひとつが集団的自衛権の行使容認に向けた動きだ。安倍政権は、これを従来の憲法解釈を変更することで実現しようとしている。

   このことを批判するともとれる発言をした前内閣法制局長官に対して政府が露骨に不快感を示すなど、早くもこの是非をめぐる攻防が始まっている。

歴代政権は「持っているが、憲法9条との関係上行使できない」という立場を踏襲

安倍政権の集団自衛権行使容認に向けた動きが活発化している
安倍政権の集団自衛権行使容認に向けた動きが活発化している

   集団的自衛権とは、日本が他国から攻撃を受けていない場合でも、米国が攻撃を受けた場合は日本への攻撃とみなして反撃できる権利。歴代政権は「持っているが、憲法9条との関係上行使できない」という立場を踏襲しており、防衛省のウェブサイトでも、

「わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然です。しかしながら、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています」

と説明されている。

   安倍首相は、以前からこの憲法解釈を変更することで集団的自衛権を行使できるようにしたいとの考えで、第1次内閣では首相の私的懇談会として設けられた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)が、憲法解釈を変更すべきだとの報告書をまとめた。ただし、報告書がまとまった2008年時点では、すでに安倍1次内閣は退陣しており、それ以上具体的な検討が進むことはなかった。

   第2次安倍内閣が本格始動して、この懇談会も再スタート。13年2月8日には初回の会合が開かれ、2回目の会合は9月にも行われるとみられる。北岡伸一座長代理は8月13日のTBSのインタビューで、

「今の内閣法制局の集団的自衛権についての考え方は間違っていると思っている」

と述べ、やはり見直しに前向きだ。

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