同人誌とTPPの意外な関係
なぜ、わざわざこうしたマークが作られたのか。理由は「TPP」だ。
環太平洋経済連携協定(TPP)に日本が参加した場合、著作権侵害が現在の親告罪から、非親告罪に移行する可能性が指摘されている。上記のように現在、同人誌などの二次創作は作家や出版社の黙認によって成立しているが、非親告罪となった場合、こうした慣習を無視して取り締まりが行われることが懸念される。
作者には自らも二次創作の筆を取る人も多く、出版社にとっても厳しい規制は本意ではない。そのため、あらかじめ作家・出版社側が二次創作を一定のルール下に「公認」し、取り締まりの枠から外す――それが同人マーク策定の狙いだという。
なおマーク採用「第1号」として、プロジェクトの旗振り役である漫画家・赤松健さんの連載が「少年マガジン」で8月末から始まる予定だ。赤松さんはこの「実験」で効果を見定めた上で、今後本格的な広報・周知活動を行うとしている。