「橋下批判」書かれた本、出版中止になっていた 東京新聞の報道で議論再燃

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「NTT出版の内部に働く『自主規制』と『過剰忖度』を強く感じた」

   中島氏は章のタイトルを「革新を叫ぶ保守への懐疑」に変更し、本文冒頭に数行の文章を加えて校正紙を送ったが、編集者の上司から「第三章をすべて削除し、他の本文中の橋下批判も削除・書き換えの方向で検討してほしい」「会社の性格上、特定の政治家・政党に対する批判を出すことはできない」と言われた。中島氏は「削除の要請には絶対に応じられない」と言い、結局折り合いがつかず出版直前で刊行取りやめになったと書かれている。

   NTT出版はそれまで政治家・政党批判が含まれる書籍を出版していたが、これについては「特定の政治家・政党批判ではなく、背景にある社会への批判だから問題ない」と返答されたという。中島氏は当時「週刊朝日」に掲載された佐野眞一氏の橋下氏に関する連載記事が大問題になっていたことを挙げ、「NTT出版の内部に働く『自主規制』と『過剰忖度(そんたく)』を強く感じました」としている。

   中島氏はこの件について13年6月27日にもツイートし、フォロワーの反響を呼んでいたが、8月18日に東京新聞が一面で大きく報じたことで議論が再燃した。

   インターネット上では「この問題は看過出来ない!詳細は不明だが、業界の表現の自由等に対する真摯な信念が問われていると思う!」「NTT出版に表現の自由はないってことね」「出版社としては最悪の選択であるな」などの批判意見が書き込まれている。

   なお、NTT出版は「特定の個人や団体の利益になる本も、不利益になる本も出さないことにしており、週刊朝日の問題とは関係ない」「親会社の意向が影響することもない。社として本の内容をきちんと把握できていなかったことが対応遅れの原因」と、中島氏のあとがきの内容を一部否定している。

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