「若返り」が急務のヤンキースのターゲット?
これだけの実績を重ねている田中を、メジャーは見逃さないだろう。日本駐在の大リーグ球団スカウトは言う。
「いますぐメジャーで通用する。かなりのチームが獲得の本格的な準備に入るだろう」
ダルビッシュ有(レンジャース)の好成績で味を占めた大リーグ。次の標的が田中であることは間違いない。9イニングを投げるスタミナ、ピンチに強い精神力、豊富な球種、コントロールの良さなど、どれをとってもローテーション投手の力量を持っている。勝てば勝つほど田中の大リーグ行きは確実になるということだ。
ベテランが多く、若返りが急務のヤンキースなどは契約金、年俸をいくら積んでもほしい投手のはずである。エース格の黒田博樹は38歳だし、一度引退した39歳のアンディ・ペティットに先発を託しているほどの台所事情だ。最高のクローザーといわれるマリアーノ・リベラも今季限りで引退する。
田中の今季の年俸は4億円。メジャーなら10倍でもおかしくない。もしヤンキースなら50億円は出すだろう。それに3年ないし5年の複数年契約を取れる。
「早ければ来シーズンにも海を渡る可能性がある」
そういう声が浮上してくることは時間の問題だ。今年の秋からオフは田中に話題が集中するだろう。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)