1997年に死去したダイアナ元英皇太子妃の死因をめぐり、英国メディアが大騒ぎになっている。2008年には「過失による交通事故死」と結論づけられていたが、ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)が死去について新たな情報を入手し、検証を進めていると発表したからだ。
警察当局は「再捜査ではない」と強調している上、入手した情報の内容も明らかではない。だが、ダイアナ妃と一緒に犠牲になった人の遺族の声もあり、英メディアでは早くも「他殺説」「陰謀説」が蒸し返されている。
08年には「過失による交通事故死」と結論が出ていた
事故は1997年8月31日にパリで発生。ホテル・リッツから車で移動していたところ、数人のパパラッチ(カメラマン)から追跡を受け、それを振り切ろうとしてトンネルの支柱に激突して車は大破した。乗っていたダイアナ妃と当時の恋人のドディ・アルファイド氏、運転手のヘンリー・ポール氏が死亡した。
08年には「過失による交通事故死」だと公式に結論付けられたが、ダイアナ妃が事故後病院に運ばれるまでに2時間もかかるなど不自然な点も指摘されており、他殺説が絶えなかった。
新展開が明らかになったのは、軍法会議の場だ。軍法会議では陸軍特殊空挺部隊(SAS)所属のダニー・ナイチンゲール被告が違法に武器と弾薬を所持した罪に問われ、事実関係を認めたが、この犯行の重要な目撃者とされるのが、ナイチンゲールのルームメイトだったSAS狙撃手の「兵士N」。この「兵士N」の妻の母親が11年9月、「兵士N」から聞いた内容としてSAS指揮官に送った手紙の内容が明らかになり、大騒ぎになった。
メディアによると、手紙は8ページに及び、
「彼(兵士N)は妻に、ダイアナ妃の死の段取りをしたのはXXXで、それは隠ぺいされたと伝えていた」
という内容が含まれていたという。XXXはSAS関係者だとの見方が有力だが、SASが関与した理由や、どのように殺害を企てたかなど、詳しいことは分からない。