ワシントン・ポストは大スクープ掲載断る?
一方、ゲルマンはこの大スクープを元の職場ワシントン・ポストに持ち込んだが、編集長は掲載日時などの確約を拒んだようだ。グリーンウォルドを絶対的に信頼したガーディアンとフリージャーナリストに頼り石橋を叩いて渡るワシントン・ポストの対応は対照的だった。結果的にグリーンウォルドは、スノーデンがダウントードした大量の機密文書へのアクセスを許され、NSAがらみの特ダネを連発しているが、ワシントン・ポストはPRISMのスクープだけで終わった。スノーデンの信頼を勝ち得なかったことは明らかだ。米国メディアを代表するニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが特ダネ合戦から脱落し、その他の新聞やTVも1?2周遅れでガーディアンをフォローするのが精一杯という状況は、本流を自負する大メディアの後退を示唆するものであろう。
在米ジャーナリスト 石川 幸憲