英BBCが実施し、2013年5月23日に発表した「国家イメージアンケート調査」の結果で、「ドイツでは欧米以外の国に悪いイメージを抱いている人が多い」という実態が明らかになった。
韓国に悪印象を抱いている人の割合が世界最多なのをはじめ、日本、中国、ロシアなども「悪印象」が多い。ドイツ人にとって「良い印象」なのは欧米の5つの国・地域だけだった。
W杯で「ヒトラーの息子達は去れ!」のプラカード
このアンケートは25か国の約2万6000人を対象に、17の国・地域について「世界に良い影響を与えているか、悪い影響を与えているか」を聞いたもので、日本は4位、中国が9位、韓国を「良い」と答えた人は36%で10位だった。
韓国を「悪い」と答えた人は31%だったが、国別で見るととりわけドイツが多く、実に65%の人が「韓国が世界に悪影響を与えている」と答えている。2番目に多かったフランスは47%で、20%近くの大差がついてしまっている。
ドイツと韓国の遺恨といえば、02年のサッカー日韓ワールドカップで、ドイツと韓国の試合の際韓国サポーターが「ヒトラーの息子達は去れ!」と書かれたプラカードや、ナチスのハーゲンクロイツが描かれた横断幕、クローゼ選手とカーン選手の写真を遺影に見立てた紙を掲げたことがあった。
また、12年のロンドン五輪では、フェンシング女子個人エペ準決勝でドイツのブリッタ・ハイデマン選手が韓国のシン・アラム選手に勝ったのが「誤審」として、ハイデマン選手と恋人のFacebookを炎上させるという騒動もあった。
韓国ネットユーザーの中には、こうした事件によってドイツの中で韓国のイメージが悪くなっているのでは、と見る人もいる。
ドイツには「東洋人に対する蔑視が潜在的にある」?
しかし、ドイツ人が悪印象を抱いているのは韓国だけではなかった。
他の16の国・地域のデータを見てみると、ドイツで「良い影響」が「悪い影響」を上回っているのは、イギリス(良:48%、悪:19%)、EU(良:59%、悪:21%)、ドイツ(良:64%、悪:8%)、カナダ(良:51%、悪:11%)、フランス(良:48%、悪:21%)と欧米の国・地域だけ。アメリカ(良:35%、悪:39%)はわずかに「悪い影響」が上回ってしまったが、日本をはじめとしたアジアと、アフリカ、南米の国・地域については全て「悪い影響」が大幅に上回っている。
ドイツの「欧米以外嫌い」について、ミュンヘン出身で日独ハーフの作家、サンドラ・ヘフェリンさんのサイト「ハーフを考えよう!」にヒントとなりそうな記述があった。
ドイツでは小学生の古典的ないじめとして、アジアの言語をバカにした「チン・チャン・チョン!」という冷やかし、目を吊り上げる仕草、「日本では犬を食べるんでしょ?」などというしつこい攻撃があるという。
この問題についてサンドラさんは「東洋人に対する蔑視が潜在的にある」「私が日本人と一緒に行動すると、あまり対応のよくないウエイターが、私が背が高い金髪系のドイツ人と行動すると対応がよかったり」「ドイツでは背が高くて横に太っていればいるほど良い、声もでかければでかいほど良い、気も強ければ強いほど良い、みたいな概念が確かにあります」と書いている。一概には言えないが、こうした潜在意識が調査結果に反映されてしまっているのかもしれない。