「民主主義の存在を脅かすもの」になると確信
次に、スノーデンはまったく面識のなかった元弁護士・ブロガーのガーディアン紙コラムニスト、グレン・グリーンウォルドに電子メールの暗号化ソフトをインストールしてくれないかという趣旨のメールを2月中旬に出している。だが、グリーンウォルドは送り主の身元が不詳なのでこのメールを無視。3月に旧知のポイトラスに会った際に、共にスノーデンから接触があったことを知る。その段階ではスノーデンのNSA勤務が始まっていた。
コンサル会社に就職したのは、派遣先のNSAから機密情報を持ち出し公表することが目的であった。スノーデンは、CIA職員としてジュネーブで働いた時期(2007年から2009年)に内部告発を決意したとガーディアン紙とのインタビューで語っている。「私は益よりも害をもたらす組織の一部になってしまったことに気がついた」。
2009年にCIAを辞めたスノーデンは、民間会社に転職しセキュリティーの専門家としてNSAに派遣される。勤務地は在日米軍基地であったという。この時にNSAの巨大な監視体制を内部から覗き、将来的に「民主主義の存在を脅かすもの」になると確信したスノーデンは、その実態を国民に知らせるとの決意を固めたと語っている。
在米ジャーナリスト 石川 幸憲