あおぞら、りそなHDなども再生進む
野村HDは世界的な規制の強化を受け、問題企業などに投資して再生させたうえでその企業の株を売って資金を回収する、投資銀行的な業務は縮小している。「すかいらーく」など既にあらかた手放しており、国内では最後まで残った、とも言えるのが足利HDだ。
野村と金融当局との協議では、足利HDを軸に地銀を再編するような構想もあったようだ。しかし再生を印象づける狙いもあり、足利HDとしても悲願の再上場をまずは優先させることにしたと見られる。
足利HDのような問題銀行の再生は進んでいる。同じく2003年に実質国有化された、りそなHDは今年5月、注入された公的資金を5年以内に完済する計画を発表。1998年に経営破綻した現あおぞら銀行(旧日債銀)も昨年8月、公的資金を10年で完済すると表明。同じく1998年に経営破綻した現新生銀行(旧日本長期信用銀行)も着々と業績を上向かせている。それぞれの「発生」から10~15年。バブルの処理にはそれだけ時間を要する、ということを示してもいる。