便利で利用広がる「カット野菜」 栄養価落ち「食べない方がいい」のか

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5分間水さらしたニンジンのビタミンC残存率は70%

   たしかにカット野菜は、野菜のつぶれた切り口から細胞内の栄養素が流れ出したり、浸しておいた水が細胞内に入り込んだりで、栄養が失われることはあるだろう。生鮮野菜と比べて、栄養価が落ちるとの指摘は一理ある。

   ただ、大半の栄養素が流れてしまうかというと、そんなこともないのかもしれない。

   女子栄養大学出版部の「調理のためのベーシックデータ第4版」(松本仲子監修)によると、5分間水でさらしたときのニンジン(千切り)のビタミンC残存率は70%、キャベツの千切りを5度で冷蔵保存した場合のビタミンC残存率は、2日後でも89%であるとしている。

   条件は違うが、流出しやすい水溶性ビタミンですら大半の栄養素が抜けきるには時間がかかることがわかるし、また食物繊維(セルロース)などの水溶性ではない栄養素も残っている。

   もちろん、生鮮野菜を摂った方がいいのだろうが、「野菜にあらず」というほどではないのかもしれない。

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