2013年夏のスマートフォン商戦はNTTドコモの「ツートップ」が注目されたが、この冬の商戦で同社は「スリートップ」で臨むのではないか、と早くも話題になっている。
「スリートップ」に選ばれそうなのは、ソニーとシャープ、富士通の3社。その場合、夏の商戦で「ツートップ」に選ばれた韓国・サムスン電子の「ギャラクシーS4」は対象から外れるとみられている。
サムスン「ギャラクシーS4」不振
NTTドコモは2013年冬の商戦の主力端末にソニーとシャープ、富士通のスマートフォンを充て、重点販売する方向で調整に入ったという。8月14日にロイター通信が複数の関係筋の話として報じた。
それによると、ソニーの旗艦端末である「エクスペリアZ」の後継機種が冬の商戦の主力端末に選ばれたほか、シャープの「アクオスフォンZETA」と富士通の「アローズNX」は、夏は主力機種に採用されなかったが、電池の持続性などの性能に対する評価が高く、後継機種が新たに冬の商戦の重点対象に加わったとしている。
その一方、夏の商戦で「ツートップ」に入ったサムスン電子の「ギャラクシーS4」は重点販売の対象から外れるという。販売成績が振るわなかったことが理由のようだ。
NTTドコモは2014年3月期第1四半期(4月1日~6月30日)の決算会見で、5月の発売から6月末まで、ソニーの「エクスペリアA」の販売台数が累計110万台、「ギャラクシーS4」が55万台であることを明らかにした。
サムスンの「ギャラクシーS4」は、ソニーの「エクスペリアA」の半分しか売れなかったことになる。とくに「エクスペリアA」はNTTドコモのスマホとしては過去最高のペースで販売されている。
そうした中で、NTTドコモの加藤薫社長は「スマートフォン基盤の拡大と新規獲得の強化の両輪で、顧客基盤を強固なものにしていく」と強調したうえで、スマホへのシフトや解約抑止という面では「スマートフォンを初めて購入される方への割引策である『はじめてスマホ割』について、ツートップ以外にも対象機種を広げ、充実させていく」と話し、今後は「ツートップ」から外れていた機種を生かしていく考えをほのめかしていた。
ただ、ソニーとシャープ、富士通の3機種を、「スリートップ」として展開するかどうかなど具体的な販売手法はこれから詰めていくようだ。