PWRについてはフィルター付きベント未設置でも申請可能
このうち、フィルター付きベントは、格納容器の圧力が高まった際、放射性物質を除去するフィルターを通して内部の蒸気やガスを排出して圧力を下げ、爆発を防ぐ装置。原子炉には格納容器が大型で圧力が高まりにくいPWR(24基)と、小型の沸騰水型(BWR=26基)があり、PWRについては未設置でも再稼働を申請できるとされた。このため、今回の申請12基はいずれもPWRとなったわけだ。
新基準による審査を申請したうち、規制委は6基を優先させる方針で、最速で13年内に、この中から審査終了が出る可能性がある。まず、伊方3号機が再稼働に最も近い。事故時の前線基地となる「緊急時対策所」を12基の中で唯一完成しており、地震の揺れが施設に与える影響予測に必要な地下構造の調査も「把握されている」(島崎邦彦・規制委員長代理)からだ。
次いで準備が進むのが、活断層のリスクの少ないとされた川内1、2号機、玄海3、4号機、泊3号機。ただ、5基の地盤調査について、データや分析が不十分と指摘されており、問題点の修正を迫られている。