全国各地で猛暑が続いている。2013年8月12日に国内観測史上最高の41.0度を記録した高知県四万十市では、13日も40.0度となり、8月10日から観測史上初の4日連続40度超えを記録した。
住民はうだるような暑さにうんざりしていると思いきや、「日本一」を受けて意外にも元気な様子だ。
市長「暑さに負けない、熱い四万十市にしたい」
高い気温を記録しているのは、四万十市西土佐の江川崎という地域だ。四万十川の中流域に位置し涼しそうな印象も受けるが、蓬莱大介気象キャスターによると、高い山の合間でごく狭い盆地状になっており、元々暑い場所なのだという。
史上最高気温を記録した8月12日13時42分、情報番組「ミヤネ屋」(日本テレビ系)が四万十川流域と中継をつないでいた。
画面上部のテロップには「ついに!高知・四万十で41度!『歴史的』観測史上最高を生中継」と、お祝い事を思わせるような文言が並ぶ。現地の様子を伝えていた藤村幸司リポーターが息絶え絶えに「41度を記録しました」と言うと、川遊びに来ていた人たちから拍手が起こった。この時藤村さんの手元の温度計は44.5度を表示、藤村さんは「声張ったらクラクラっとした。息するのが苦しい」と酷暑の体感を生々しく伝えていた。
翌8月13日付の高知新聞は、住民の「暑すぎやけど、うれしい」「今か今かと待ちよった」という声を紹介。気象観測所前では、子どもらが作った「あつさ日本一」の手作り看板まで披露されたという。
13日放送の情報番組「朝ズバッ!」(TBS系)には、四万十市役所 西土佐総合支所の中平晋祐・地域企画課長が現地から中継で出演し、この暑さについて「勘弁してほしいのが一番だけど、名前が記録されるのはどこか嬉しさもある」と控えめに喜んでいた。
「ミヤネ屋」では四万十市の中平正宏市長にインタビュー。「これを契機に、どういう形で地域を売っていくか。暑さに負けないような、日本一元気な熱い四万十市にしていきたい」と抱負を語った。同時に、「今一度、熱中症など健康管理を徹底する良いチャンス」とも話していた。
日本一の座譲った多治見市長「いつかこういう日が来ると思ってた」
四万十市の道の駅「四万十とおわ」は、この暑さをすでにビジネスにつなげている。
公式通販サイトで、8月12日から「41℃記録キャンペーン」として、通常6200円の冷凍スイーツセットを4100円で。8月13日には第2弾として、13日の最高気温×本数の「しまんと緑茶」を5000円で販売している。
四万十市が喜びに沸く一方、これまで40.9度で「暑さ日本一」を誇ってきた埼玉・熊谷市、岐阜・多治見市の住民から「残念」という声が上がっているようだ。
8月12日放送のニュース番組「news every.」(日本テレビ系)では、「今まで日本一だったんで、抜かれちゃったんだってちょっと残念」(熊谷市民)、「どうせなら1位がいいですよね」(多治見市民)という声を紹介。13日の「ミヤネ屋」でも、「暑いけど日本一だから許せた。暑いのに1位じゃないのはシャク」と話している熊谷市民もいた、と伝えられた。「朝ズバッ!」では、多治見市長の「いつかはこういう日が来ると思っていました。快くタイトルをお譲りいたします」というコメントが流れた。
ちなみに、8月12日に39.8度で最高気温2位を記録した大阪・豊中市の住民は、「ミヤネ屋」の取材に対し「暑さ日本一なんていらん」と口々に言っていた。