JR東海「損害が発生したのは事実」
ヘルパーをつけても男性を常時監視するのは難しいのではないかとの声について、JR東海の法務部担当者は、取材にこう説明した。
「個別の事情はいろいろおありかもしれませんが、線路に立ち入り、電車に衝突して損害が発生したのは事実です。損害については、原則としてお支払いしていただいています。それは、自殺であるなしに関わらず、同じです」
男性が線路に立ち入ったのは、夕方のラッシュアワー時で、上下線で20本が最大2時間遅れ、34本が運休するなどして約2万7000人に影響した。乗客の代替輸送を手配するなどもしており、担当者は、そうした内容を調べて約720万円という賠償金の額を出したとした。
今回は、支払いに応じてもらえず、熟慮した結果、裁判所の公正な判断を求めることにしたという。
JR東海にも事故を招いた過失があるのではとの指摘については、「当社としては、線路に立ち入らないように巡回したり呼びかけたりしており、過失はなかったと考えています」と反論している。
なお、ある私鉄にJ-CASTニュースが取材したところ、飛び込み自殺による損害額の平均は200万円ほどで、請求は100万円にいかないことが多いと答えていた。一方、過去の新聞報道によると、ラッシュ時で数万人に影響するときは、鉄道会社によっては600~800万円ほどを請求することもあるという。