サザンライブにネット上で批判 「しばき隊寄り映像を放映」は本当なのか

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   人気バンド「サザンオールスターズ」が2013年8月10・11日、日産スタジアム(横浜市)で実に5年ぶりのライブを開催、大成功をおさめた。

   会場に集まった7万人のファンは歓喜に酔いしれたが、外野ではなぜかサザン批判が起こっていた。「サザンが『レイシストをしばき隊』の肩を持っている」という情報がインターネット上で流れたのだ。

「サザンが味方は心強い」「サザンにまでしばかれる在特」

   13年8月10日夜、サザンのライブに行ったというツイッターユーザーがこんなツイートを投稿した。

「新横浜サザンオールスターズライヴ。新曲『ピースとハイライト』の演奏の際に後ろの大画面で在特会の新大久保ヘイトスピーチデモとしばき隊が戦う映像が映されていて『時代』を感じたな」

   このツイートが拡散され、ライブに行っていない人の目にも触れるようになると、「しばき隊にとって、サザンを味方につけたのは心強い。今までサザンが好きだったザイトク界隈の連中は、アイデンティティーの崩壊に苦しみそう」「全方位からしばかれて、ついにサザンにまでしばかれている材特界隈(原文ママ)」などのツイートが投稿された。しばき隊メンバーとつながりのある参議院議員・有田芳生氏が、8月7日付の朝日新聞朝刊でサザン復活に対してコメントしていたこともあり、「サザンがしばき隊の肩を持っている」「ライブで流れた映像はしばき隊寄りだった」という風になっていった。

   この話題は2ちゃんねるにも飛び火し、「なんでしばき隊なんかを正義として扱うかねえ」「うわ…マジでもう応援できねーわ」「サザンで韓日友好の架け橋だね」など、サザンへの非難や皮肉が多く書き込まれた。

桑田佳祐「君たち、どう思う?的な世間話を歌にした」

   ファン以外が騒ぐ事態となってしまったが、真相は少し違ったようだ。「しばき隊の映像が映された」とツイートしたユーザーが、情報が捻じ曲がって広まっていくのに対し、

「あの画面では竹島に上陸した李明博大統領や韓国のいわゆる従軍慰安婦デモや中国の反日デモの様子なども流れてましたよ」

と説明。とりわけ「在特会VSしばき隊」に焦点を当てた映像ではなく、サザンがどちらかに肩入れしているような意図は感じられない内容だったようだ。

   長年サザンのファンで、今回のライブに参加した女性も、J-CASTニュースに対し、

「桑田さんは政治的にどっち寄りということでもなく、どちらの立場も見せて問題提起して見る側に考えさせるという映像が多い。ピースとハイライトではむしろ各国の首相やリーダーを面白おかしく描いていた映像のほうが記憶に残った」

と話した。

   ちなみにサザンのボーカル・桑田佳祐さんは、タワーレコードのフリーマガジン「tower+」13年8月10日号のインタビューで、「ピースとハイライト」に込めた思いについてこう語っている。

「中国、韓国、日本という現代三国志みたいな状況があって、そういう問題を見ていて、その中で誤解とか不審とか歴史とか恨みとか憎しみがいつまで続くんだろうなと僕なりに思ったわけですよ。原発の問題もそうだけど、我々の子供たちの世代や孫の世代……これからの若い人たちにそういう問題をそのまま丸投げしていいのだろうかって。(中略)<君たち、どう思う?>的な、いわば世間話を歌にしたんですね。そういう僕らの呟きが歌になって広がって、どこかにうまくぶつかってほしいなっていう期待もあるんですよ」
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