言い分を踏まえて叱るべきと言っていた?
ところで、福井新聞の記事は、尾木直樹さんの発言について、一部を切り取ったものだ。実際の講演では、違うニュアンスで言っていた可能性がある。
尾木さんの著書「尾木ママの『叱らない』子育て論」を紹介したオールアバウトの2011年6月6日付記事によると、尾木さんは著書で、叱りたくなったら、深呼吸して、無理やりにでもほめることが大事だと説いた。子どもに聞くと、数%でも正しいところがある可能性があるからだという。
一方で、ベネッセ教育情報サイトの13年4月26日付インタビューで、尾木さんは、頭ごなしに怒るのと違い、叱ることには教育的視点があるとも述べている。ブログでも8月2日、子どもの叱り方として、「~しよう」「~だと助かる」などと具体的、希望的に言うことが大事と言っている。
とすると、尾木さんは、まず子供に万引きした理由を聞いて、その言い分を踏まえたうえで正しく諭すような叱り方をすべきと講演で言ったのかもしれない。尾木さんの事務所に取材すると、スケジュールがいっぱいで対応する時間がないとのことで話は聞けなかった。
なお、尾木さんが講演した福井市の会場は、福井新聞や尾木さんのブログによると、約2000人が訪れて超満員だった。3時間前から並ぶ人もいたという。尾木さんは、山形県や宮崎県などでも講演を行っており、7月23日の宮崎講演では、5階席まで満席で、約1300人も入場を断ったほどの人気だったそうだ。