ハリウッドのSF大作映画「パシフィック・リム」が2013年8月9日、日本で封切られた。総制作費約200億円、この夏屈指の話題作の1つだが、実はこの作品を手がけたギレルモ・デル・トロ監督が、大の「特撮・アニメオタク」だという。
公開に合わせて来日したデル・トロ監督はさっそく「お台場ガンダム」や「秋葉原」などの聖地を訪問、子どものように大はしゃぎする姿が話題を呼んでいる。
マジンガーZ、ウルトラシリーズなどから影響
「パシフィック・リム」は近未来を舞台に、破壊の限りを尽くす巨大生物「カイジュウ」たちと、人類が開発したロボット「イェーガー」軍団との戦いを描いたSF作品だ。米国などでは7月12日から公開され、興行収入は8日までに全世界で約285億円に達する。日本人女優の菊地凛子さん、また人気子役の芦田愛菜ちゃんも出演している。
メガホンを取るデル・トロ監督はメキシコ出身の48歳、「ヘルボーイ」や「パンズ・ラビリンス」などのヒット作で知られる。そんな監督は、日本人顔負けのディープな「オタク」なのだとか。子どものころ、メキシコで放映されていたウルトラシリーズを見たことがきっかけだといい、今では自宅のほかにフィギュアなどを飾るための家2軒を持っているほど。日本メディアから「日本で行きたい場所」を聞かれ、「サブカルの聖地」中野ブロードウェイの名を即座に上げるなど、もはや筋金入りだ。
「パシフィック・リム」にも、そうした日本特撮やアニメへのオマージュが多数盛り込まれている。巨大生物の呼び名が「カイジュウ(=怪獣)」なのはもちろん、ロボのデザインもわざわざ「日本アニメ好きのデザイナー」たちを集めて作らせたという。主人公ロボが撃つエルボーロケットにいたっては、「マジンガーZ」の「ロケットパンチ」そっくりだ。